お客様の心の扉が開く瞬間に幸せを感じます。

諦めなければ、必ずお客様の心の扉が開く瞬間がある

接客は【いらっしゃいませ】から始まります。

私に色々な反応を見せてくれるお客様達。

ニコニコ笑顔のお客様。下向き加減で静かなお客様。お友達と賑やかなお客様などなど。

お客様にかけた最初の一言で第一印象を感じます。

お声かけしても反応のないお客様もいらっしゃいます。当たり前ですよね。いきなり初対面の私に笑顔を見せてくれる人ってよっぽど人が好きな方でしょうか。

2回目の声掛け。まだ緊張した様子で私に背を向けている感じ。

お客様にしつこいと思われないように言葉を選んで3回目。やっと私の話を聞いてくれました。しかしまだまだ私に心を許してはくれません。

しばらく自由に店内を見ていただきます。その間もそっとお客様を見守っています。

商品をただ眺めているだけなのか、それとも気に入った商品がなかなか見つからないのかと思う時もあります。

しかしお客様が店内にいる間はきっと何かを求めている。そう思って諦めません。

4回目。あっ!お客様が最初に手にした商品に再び触れた瞬間を私は見逃しません。声をかけるとお客様から「このブラウスって・・・」と質問される。よっしゃ!やっとお客様の心の扉が開いた瞬間。お客様との距離を縮める瞬間が訪れました。

そこからはお客様から質問された事を、自分の言葉・自分のリズムでできる限りお答えするだけです。

次第にお客様から笑顔が見え始めます。この表情の変化でお客様の心を掴んだ瞬間を感じます。お客様が必要とする商品が見つかればお買い上げに繋がります。

目的の商品がなかったとしても、お客様の記憶の中にふじやに来て楽しかったと思ってもらえる接客をしたいと思っています。

お客様の心を掴めるようになったのは今から何年前だったかな。

私は接客の仕事をして30年。今も尚お客様の心の扉が開く瞬間に幸せを感じます。

その瞬間を手にするまでに何百人、何千人の人にいらっしゃいませを言ってきただろうか。

最初の頃はお客様に声をかける事が怖くて言葉に詰まったり、次に何を話したらいいのかわからなくて悩んだり、いつも疑問を抱えていました。

いくつかの疑問を乗り越えながら接客が楽しくなり、今ではどんなに忙しくても自分のリズムを崩さない冷静さを持ち、距離感を保ち、お客様の第一印象からのご提案を心がけ、お客様との会話を楽しんでいる余裕さえある。

今の私は「いらっしゃいませ」が自然に言える。これからもお客様と心が繋がる接客をしていきます。